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ステッカーって厚いのがいいの?薄いのがいいの?

ステッカーというと屋外で車やバイクに貼ってあって、厚さがしっかりとあって存在感があるというようなイメージがあるかと思います。確かにかなり前でしたら分厚いステッカーが存在していましたが、ここ数年では逆にステッカーが薄くなってきています。メーカーが塩ビやPETなどのステッカー用の粘着素材の製造過程において薄くすることを主に製品改良を行ってきているからです。カーフィルムやカーラッピングなどの業者様においては、ステッカーのベース素材が薄い方が施工がしやすく、フィルムの扱いもラクなので、そういった要望がメーカーの方へ向かっているという背景もあるようです。この5年~10年の間に製品の改良を行っていってどんどん素材が薄くなってきています。

 

シルク印刷ステッカーの厚さ見本

シルク印刷ステッカーの厚さはやや薄目になっています

 

お客様の方はというと、「分厚いステッカーが欲しい」とか「御社ではどのくらいの厚さがありますか?150~200ミクロン位の厚いステッカーが欲しいです」のようにステッカーに厚さを求められているようです。確かに厚さがあると何だかカッコイイと思いますし、重厚感というものがありますね。ステッカーの厚さに対するイメージってこんなにも変わるのですね。私もステッカーの事業を始めたころには厚いステッカーばかりに注目して素材を探していましたが、次第に薄いものほど丈夫で品質が高いのかと納得しました

厚みのある素材を作っているメーカーさんもありますが、ほどんとは海外製です。日本で作っている素材は薄い素材ものばかりになります。これは外国のメーカーは日本ほど技術が進んでなくて厚みを持たせないと長持ちしないとか技術的に薄いステッカー素材が作れないといった事情もあります。日本製のものは凄く良いものというのはステッカーの世界でもありますね。たとえばカッティングシートでみますと、日本のメーカーのものは薄くて柔らかいのでカット作業~施工作業までの扱いやすいのですが、海外製の安いものになりますと、厚くて「パリパリ」とした感触になりカス取り(ステッカーのいらない部分をむしり取る作業)の場合にやりずらいものが多いです。

弊社で扱っているステッカーの厚さはシルク印刷でステッカーのシートで50~80ミクロン程度、ラミネートで20~30ミクロン程度になります。フルカラーステッカーではステッカーのシートで50ミクロン程度、ラミネートで30ミクロン程度になります。ちなみに以前、他社様で溶剤系のインクジェットの場合で、シートで100ミクロン、ラミネートで70ミクロンととても分厚いステッカーを見たことがあります。今は概ねその半分位の厚さになってきているかと思います。

 

 

フルカラーステッカーの厚さ見本

フルカラーステッカーの厚さはやや厚めになっています

お客様より、ステッカーの素材は厚い方がいいのか、それとも厚い方がいいのかというご質問がよくあります。弊社では先ほどのような業界全体の厚さに関する流れ等を見ておりますので、「実は薄い方が製品としては品質がいいのです。」とお答えしています。ステッカーの厚さで一番差が出るのは溶剤系インクジェットのフルカラーステッカーでしょうか。素材のメーカーが沢山あってステッカー業者様の方でも、安さにつられて厚みのある素材を選んでしまうからです。厚みのある素材は海外製が多く安く手に入れることができます。弊社でも取り寄せてみたことはありましたが、これをステッカーとしては販売できないなと思いその素材を扱いませんでした。

ステッカーの素材だけでも沢山あって私たち業者でさえも全ては把握しきれてないほどです。ですが、ステッカーは案外薄い方がいいものなのかということはお分かりいただけたかと思います。これからは厚さをステッカー選びの一つの指標にしてもよろしいかと思います。

様々なオリジナルステッカーの作成を行っています

車に貼るステッカーで貼ってもいい場所とは?

車を持っている人なら一度はステッカーを車に貼ったことがあるかと思います。カー用品店でお気に入りのメーカーのステッカーを貼ったり、カスタマイズの専門店でラッピングのステッカーを貼ってもらったりと色々楽しまれています。ステッカーは手軽に車をカスタマイズできるアイテムとして知られています。車にステッカーを貼ることはありますが、ステッカーを貼って良い場所が決まっているというのが案外知られてないようです。

車のフロントガラスへステッカーを貼るのは?

国土交通省の道路運送車両の保安基準によれば、車のフロントガラスへオリジナルのステッカーを貼ることはできません。巷でフロントガラスに小さなステッカーや文字だけのカッティングステッカーが貼ってあるのを見かけますが、これはいけませんということです。貼ったまま車検へ通そうとすると「ステッカーを剥がしてください。」と言われかねません。

逆にフロントガラスに貼らなければならないステッカーもあります。例えば、「車検証ステッカー」です。これは貼らない方はいないかと思いますが、貼らないと法令違反になります。あとは「保険標章・共済標章」で自賠責の満了年月を記したものです。その他、道路運送車両の保安基準に規定されているステッカー類は必ず貼らなければなりません。

ステッカー以外で貼っていいものとしては、「ルームミラー」です。何気なくカー用品店で買ってきたルームミラーをフロントガラスに付けているかと思いますが、これも道路運送車両の保安基準で規定されているから付けられるということなんですね。他にはETCアンテナ、ドライブレコーダー、TV・ラジオなどのアンテナ、といった車を乗るために安心・安全を補完するための機器類です。ちなみに車のフロントボディにはステッカーを貼っても大丈夫です。

 

車ステッカーフロント部分

車のフロントガラスにはステッカーは貼れません

車のサイドに貼るステッカーは?

車のサイド部分はどうかといいますと、運転席と助手席のサイドウインドウに関してはステッカーは貼れません。但し、例外として車の盗難防止装置のステッカーは位置に関する細かい規定はありますが、貼ることができます。「セキュリティシステム作動中」などの文字が入ったステッカーがありますが、そのステッカーは貼ることができます。位置の細かい規定は「ガラスの下縁から100ミリ以下、ガラス開口部の後ろ縁から125ミリ以下」ということになります。助手席のサイドとかにも大きなステッカーを貼っている方いますが、これもダメということです。ボディ部分はステッカーを貼っても大丈夫ですので存分に楽しんでください。ボディ部分は2メートルを超えるような長いバイナルステッカーを貼っていたり、ピンストライプのステッカーを貼っていたりしますね。弊社でもバイナルステッカーを扱っていて、お客様へ納品するときには一応、車に貼っても大丈夫な場所を確認してから貼るようにお願いしています。

運転席と助手席サイドにも規定があります

運転席と助手席のサイドにも規定があります

 

車のバックウインドウ部分は?

それでは最後にバックウインドウですが、窓越しに後方をすることができる範囲内であればステッカーを貼ることができます。写真のようにベタ文字ではなく細くくりぬいたような文字であれば後方を確認することができますので大丈夫かと思います。バックウインドウ全面に貼るようなステッカーの場合は念のため後方確認に問題がないように貼っていただくよう、お客様へご注意を促しています。ただし、大きなものでもどこへ貼るのかはすべてを確認できていませんので、最終的にはお客様へお任せしています。また、仕事で車を使っている方の中でシースルーステッカーを貼っている方もいますが、こちらも後方確認に支障がなければ大丈夫のようです。

 

車ステッカーバックウインド

後ろは後方確認ができれば大丈夫です

車のバックボディですが他のものと一緒でボディ部分に関しては問題なくステッカーを貼ることができます。ボディ部分についてはどこへ貼っても大丈夫と考えていいでしょう。私自身も車にステッカーを貼っていましたが、どこにでも貼っていいもの考えていました。ステッカーを貼った場所については違反ということではなかったのですが、車検の時に車のディーラーの方からレクチャーを受けたことがありました。それからは時々国土交通省のホームページなどを時々見て法令の規定を確認するようにしています。ステッカーは車を気軽にイメージチェンジすることができますが、このような法令を守って楽しみたいものです。

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服やTシャツなどの布に貼れるステッカー・シールとは?

布に貼れるステッカー・シール素材として有名なのがサテンタックと呼ばれるものです。サテンタックとはサテンという生地の裏にタック(糊)がついているものです。布で出来ているので洋服やシャツの上に貼っても柔軟性があるのでゴワゴワしませんし、糊残りがないので服の生地を傷める心配がありません。布地に貼って使用できるように開発されたシール印刷素材です。

色々なシーンで使われているサテンタック

具体的に見てみると、冬にスキーに行く人で、リフトの1日券でスキーウエアの肩から腕部分に貼っているものが、良く知られているシールですね。多くのスキー場ではこのサテンタックのシールを使っているのではないでしょうか。あとは、コンサートやイベントの入場券替わりに使われていたり、旅行のツアーの参加証代わりに胸に貼られているかと思います。名前はあまり知られてませんんが様々な場所で使われていますので、それを見れば「ああ、これがサテンタックという素材なのか」と納得していただけます。

他にはお酒を提供する飲食店で「ハンドルキーパー運動」として、車の運転をしているお客様には「私は車を運転するのでお酒を飲みません」といったバッジを差し上げているお店があるかと思います。そこで、バッジの代わりにこのようなサテンのシールをお客様の腕などに貼ってもらうことで、飲酒運転撲滅に対する意識を高めてもらっています。このような一時的に付けてもらうだけでしたら使い捨ての効くシールが適しているかと思います。バッジですとお客様がお帰りになるときに回収しなければならない手間がかかりますし、壊されたり、無くされたりしてしまうリスクあります。

弊社ではシール印刷という凸版の印刷方式によってサテンタックを使った印刷は行っていました。ただし、印刷機を使用しますので枚数が1,000枚程度からとなってしまい、それより少ない印刷枚数になりますと単価が高くなってしまいます。また、1色から3色程度までの色数しかしようできませんのでフルカラー印刷に対応できないところがあります。それでも、お問い合わせで「100枚、200枚といった小ロットでできないか?」「フルカラーで印刷できないか?」といったお話をよくいただきます。シールやステッカーにおいても小ロット化のご要望がますます大きくなって行っているのを感じます。

オンデマンドシールで布印刷

2種類の印刷機でテストしました

 

オンデマンド印刷機でサテンタックに印刷してみる

そこで弊社ではオンデマンド印刷によるサテン地のシールを作れないかテストをしています。オンデマンド印刷に使うとすると、インクジェットプリンターかオンデマンド印刷機となります。ためしにイベントスタッフ証のサンプルとして、両方の印刷機で印刷してみました。写真の上がインクジェットプリンタで、下がオンデマンド印刷機です。

どうでしょうか?インクジェットプリンタは見た目きれいなんですがインクの滲みが結構でました。ベタ塗りが苦手で、小さい文字ですと難しそうですね。白抜きだと文字が潰れてしまう部分もあります。実際、このインクジェットでサテンのシールを製品として販売している業者様がありましたが、弊社としてはこれでは不完全ということで採用しないこととしました。

 

オンデマンド印刷機でテスト

オンデマンド印刷だと綺麗に印刷できました

では、オンデマンド印刷機はどいうかといいますと、印刷は綺麗にできました。しかし、インクの載りが完璧ではないので強くこするとインクが少し剥げてしまいます。普通に使っている時はなんともないのですが、誤って爪を立ててこすってしまうということは度々起こることです。

 

布印刷の傷

爪で引っ掻くとキズができます

この部分が解決できれば自信を持って販売ができるのですが、この商品についてはあと一歩というところですね。もう少し考えてみようと思います。

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フルカラーステッカーに適した印刷方式は?

フルカラーステッカーは沢山の印刷方式があります。ここで弊社におけるステッカーの定義をご説明させていただきますと、ステッカーは屋外用途として屋外の耐候性を満たしたものとしています。屋外の耐候性といいますと、紫外線だけではなく雨風等に対しても耐えうる能力を持っているということです。ちなみにこの定義を満たす印刷方式は溶剤系インクジェットと顔料系インクジェット、トナーインクタイプ、それとシルク印刷になります。一部でオフセット印刷でUVインクを使って紫外線による退色を強くしているというサイトもございますが、2年も3年も持つものではないのでこれは除外させていただきます。またシルク印刷は孔版印刷になりフルカラーのような連続的な階調を細かく表現することはできませんのでこれも除外させていただきます。

楕円形のサーファーのフルカ

 

以上から、フルカラーステッカーの印刷方式は、溶剤系インクジェット、顔料系インクジェット、トナーインクとなります。溶剤系は以前、弊社でも扱っていましたが、昨今の環境への配慮の観点からしますと扱うことが難しくなってきました。環境問題に関する企業様ですと溶剤系のステッカーは敬遠されます。そのような状況ですので弊社では溶剤系の扱いを縮小させていただいております。また、顔料系は耐候性に関してはある程度ありますが、ラミネートをした時に隙間から水が浸水していまいます。

 

顔料系のメディア(ベースとなる素材)は顔料インクが乗るりやすくするためにコートしてあります。インクが乗りやすいということはそれだけ水分も吸収しやすいということになりこれがネックになります。どういうことかと言いますと、ステッカーにした時に顔料メディアとラミネートの間から水が入り込んでしまいます。看板製作の場合は1枚1枚この水分が入り込まないようにするために、看板の四方をテープ等で止める「エッジ処理」しますが、これと同じようなことをステッカーに施工するのは不可能に近いのです。何百枚のものステッカーにエッジ処理は実用的ではないですね。以前は顔料系インクを使っているところが結構ありましたが、現在ではこのような問題が表面化してきたため、顔料系インクジェットでステッカーを作るということはなくなりました。

そうなりますと、ステッカー製作は弊社のようなトナーインクタイプが現実的になります。この印刷方式は製版が不要ですので簡単で大量に印刷することができます。トナーインクとは業務用のレーザープリンタを用いてプリンタのトナーを印刷用紙に印刷してステッカーを作成するということです。しかし、トナーをきれいに印刷メディアに乗せるということがなかなか難しく、このことが弊社のノウハウになっています。実際、他社様でも一部この方式を採用しているところもあるようですが、トナーがうまく印刷用紙に載らずにムラが生じているそうです。そのあたりは弊社が数年に渡りクリアしてきましたので納品後にお客様より「きれいに印刷ができている」というお言葉をいただいています。ステッカー制作において長年にわたる研究開発により蓄積してきたノウハウを皆様にも体験していただきたいと思います。

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ステッカーにラミネートは必須なのでしょうか?

「ステッカーにラミネートは必須なのでしょうか?」このようなご質問をいただくことがあります。基本的にステッカーは屋外で使うことを想定していますので「必要です」とお答えしています。「ラミネート」とは、別々のある素材とある素材を密着させて貼り合せるという意味になります。ステッカー、シールにおける、ラミネートの主な目的は「耐候性の確保」「擦過性の確保」などです。耐候性とは雨や風、紫外線などの天候要因に対してどれだけ強いかという性質のことです。また擦過性とは引っ掻いたり擦ったりすることに対してどれだけ強いかという性質のことになります。

「耐候性の確保」、「擦過性の確保」、どちらもステッカーを長く使っていく上では大切ですね。その中で特に気になるのは紫外線による色褪せでしょうか。印刷の色は基本的に青(シアン)、赤(マゼンダ)、黄色、黒の4色で構成されています。その中で赤系の色は退色しやすいのです。日中に太陽光を浴びているお店の外向きに貼ってるポスターなどは、タレントさんの顔がいつの間にか青っぽくなってしまっているのを見かけたことがあるかと思います。これはマゼンダ(赤)が抜けて青が目立ってしまったからです。ちなみにその辺に貼ってあるポスターなどはオフセット印刷で印刷していますので、太陽光の下に置いて2・3か月程度で退色しても当たり前なのです。しかし、ステッカーでは短期間でこうなっては困りますね。従いましてラミネート(UV対応のラミネート)は必須となります。

フルカラーステッカのラミネート写真

フルカラーステッカーにラミネートは必須と言ってもよいでしょう

また、少々のことでステッカーの印刷してある面が擦れてインクが剥がれるようなことが起きてはいけません。ポスターなどで印刷するオフセット印刷では紙の繊維の中にインクが浸透するくらいになり、インクの層が薄いので引っ掻いてもインクが剥がれるということはまずありません。しかし、シルク印刷ではインクが厚めに盛られている、もしくはベースにインクが乗っかっている状態ですので、あまり強く引っ掻くとインクが微妙に擦り切れる場合があります。

これは、例えばカッターの刃でシルク印刷の印刷面をゴシゴシと擦るまでやらないとそうはならないかと思いますが微妙に剥がれる場合があります。また、フルカラーステッカーのトナーインクタイプにおいても同様であまり強く擦れるとインクが剥がれる場合があります。そのため、印刷面を守るためのラミネートが必須になります。

ここまで、ラミネートは必須ですといいましたが、実は、ラミネート加工をしない場合もあります。デザイン上で印刷面にマットな感じを出したいという場合は印刷した後にラミネートは貼りません。シルク印刷に使うインクは印刷面に厚く盛りますのでその厚さで紫外線には十分耐えられる耐候性があります。

ラミネートすることでステッカーがさらに長持ち

トナーインクタイプの場合はどうかといいますと、ラミネートを貼らない場合はステッカーが擦れてトナー剥がれる可能性があるということを条件にして製作させていただいています。ラミネート加工をしてステッカーに光沢を出させたいという方が大勢いる中、逆にマットな感じで作りたいという方も少数いらっしゃいますので、そのような効果を出したいという方はご相談いただければ対応させていただきます。ちなみに艶消しの白ベースに黒インクなどを使って印刷するとなんとも落ち着いたイメージになります。

パンフレットなどでも最近よくあるのは印刷した後に艶消しのマットのラミネートを好まれる方が増えてきたようです。あまり光沢があるとギラギラして安っぽく感じるようで高価な商品やサービスを販売されている企業様でこのようにマットなラミネートをして印刷をされているようです。マットなステッカーはいかがでしょうか?

ステッカーのカット(型抜き)について

ステッカーは円形と四角形の形状が一般的になりますが、例えばロゴマークに沿ってカットラインを入れたいとか、デザインに沿ってカットしたいといったご希望にも添えます。ステッカーのカットはカッティングプロッタというカッティングの機械を使って作業いたしますが、カッティングマシンでも2種類ありまして、グリッドローリングというものと、フラットベッドがあります。

グリッドローリングというのは、簡単に説明しますとカッティングマシンにあるグリッド状のローラーがY方向に動いて、カッティングの刃が付いたユニットがX方向に動くことによって自由にカットしていくものです。Y方向にカッティングシートが固定されていてカッティングシートは前後に動いているだけように見えますが、同時にカッティングの刃が付いたユニットも左右に動いて円形や複雑な形をカットしていきます。

 

カッティングマシンの写真
Y方向に固定されて前後にシートが動きますので全抜き(ステッカーの台紙までカットすること)ができません。従いまして、円形のステッカーの場合ステッカーは円形にカット(ハーフカット)できますが、円形より数ミリ外側に台紙が残る状態になってしまいます。

 

円形ステッカーで台紙が四角形
この写真がその見本になります。お客様によっては台紙が残っているのでステッカーを剥がしやすくて便利だという方がいらっしゃいますが、ステッカーが円形だから台紙も円形にしたいので台紙ごとカットして欲しいという方もいらっしゃいます。当時はグリッドローリングしか持ってないところが多数で他社様では台紙が残った状態での納品が多く、弊社に「台紙ごとカットした状態で納品して欲しい。」というご要望が多数ありました。

弊社でも最初はグリッドローリングタイプのカッティングプロッタのみで作業しておりましたが、裏ワザがありまして全抜きで納品可能になっていました。カッティングシートに使うアプリケーションフィルムを印刷したステッカーに貼って、カッティングマシンの刃をステッカー本体と台紙部分までに合わせてカットすると、ステッカーが全抜きでカットできます。アプリケーションフィルムの粘着度合がちょうど良いものを探すこともノウハウになりますが様々なフィルムを扱っている弊社だから可能になったことと思います。

カッティング機械のもう一つのタイプはフラットベッドになります。これは台紙をフラットな面に固定して、カッティングの刃が付いたユニットがX方向、Y方向の両方向を自在に動かしてカットするタイプになります。

フラットベッドのカッティングマシンの写真
こちらの平面にステッカーの原稿を固定してカットしますので、台紙ごとぶち抜いてカットすることが可能です。もちろんステッカーのみカットする「ハーフカット」でも可能です。弊社ではこのカッティングプロッタを3台所有していますが、現在ではこちらが主流になっています。色々カットできて本当に便利なんです。

 

複雑な自由形の型抜きステッカー

 

これはロゴマークの外周に沿ってカットしましたが、こんな複雑なカットラインでもカットできてしまいます。ただし、鋭角部分(角度が90度以下)については角を丸くしませんとカッティングの刃が原稿を引っ掻いてしまいますので、データをご入稿された時点でアドバイスさせていただいています。

ステッカーを複数配置してハーフカットした写真
こちらは1つのシートにステッカーを5つ配置して、ハーフカット(台紙までカットせずにステッカー部分だけカット)してそれぞれのステッカーが剥がせるようにカットしています。これはノベルティなどでよく見かけますね。ステッカーの料金計算は基本的に面積で計算しますので、余白がある分だけ通常のステッカーよりは割高になりますが、豪華に見せたいとか、沢山ステッカーを配置したいという方にはお勧めです。

カッティングステッカーの場合はグリッドローリングが基本になります。フルカラーステッカー等になりますとフラットベッドの出番になります。弊社ではグリッドローリングとフラットベッドの両方のカッティングマシンを所有していますので、どんなカットでも対応可能です。

カッティングプロッタの機械を入れ替えました

カッティングステッカーを製作するのに欠かせないもの、それはカッティングプロッターです。カッティングプロッターはカットデータをイラストレータなどのソフトで作成して、それをプロットデータをパソコンからカッティングプロッタへデータを流し込むと、そのとおりにカットできる優れものです。弊社がこの作業を行うために、なくてはならない機械です。

カッティングステッカーの仕事を始めたのは2002年のことでした。当時はカッティングステッカーの仕事をインターネットでしているところは少なかった記憶があります。それだけに貴重なサイトだったからか注文がかなり入ってました。忙しいときは夜中の二時を過ぎてもカッティングステッカーの作業の一部である、カス取り(ステッカーで不要なカッティングシート部分をむしり取る作業)をしていた記憶があります。何百枚ものシートがありましたので、カス取りだけでもかなりの重労働といった感じでした。

初めのうちは、機械のことも分からなかったの外注でカッティングステッカーの制作をお願いしていました。しばらくすると急ぎの仕事が増え始めてそろそろカッティングマシンの購入を検討しようかと思いカッティングマシンを導入しました。機械はmimakiのCG60-EXというものです。これはカッティングステッカーを加工するのはもちろん、トンボセンサーがついていたので型抜き等の作業もできるということで、のちにフルカラーステッカーもやりたいと思いこの機種にしました。今からしたらカッティングの機械って1台数万円で購入できますが、当時は70万円程度しましたので、ステッカー製作を始めたころにしては結構な出費でした。

このCG60-EXは本当に色々な作業に使えて便利でした。ステッカーだけではなく缶バッジの原稿をカットするときにも使えていました。全抜きはできませんでしたが裏ワザを使って全抜きのフルカラーステッカーも作っていました。同業者の方に聞いてもミマキ社の機械はなかなか壊れなくていいという話どおり10年以上経過しても全く壊れてなく頼もしいマシンでした。

そうは言ってもスピードや機能の進化がかなり進んできたため、いよいよ買い替えということになり、10年以上ぶりにカッティングプロッタが納品されました。

カッティングマシンの写真

いや~、本当に安くなりましたね。20万円しないでこんなに高機能なカッティングマシンが手に入る時代になったのですね。このマシンは通常のカッティングシートがカットできるだけでなく、もちろんトンボも読めますし、そのトンボも白黒反転で読めるという優れモノです。この白黒反転で読めるということは、銀のベースや金のベースといった、今までのトンボではセンサーが正常によめなかったシートまで読めるということになります。まだテストはしてませんがヘアラインシートなんかも読めそうですね。弊社では既に全抜きができるフラットベッドタイプのプロッタは持っていますが、白黒反転のトンボが読めないので金のベースなどは難しいのです。

これから少しずつ銀やヘアラインのフルカラーステッカーなどで試してみて商品化も目指したいですね。例えばヘアラインのステッカーはシルク印刷でできるのですが、製版しなくてはいけないのでコストがかかるというのが難点でしたが、フルカラーステッカーならかなり安く作成できますのでお客様にも喜ばれるかと思います。手が空いた時にでも全抜きの裏ワザを使ってフルカラーステッカーをテストしてみたいと思います。

カッティングステッカーのご注文ならこちらへどうぞ