日本のうちわの元祖!京うちわ

京うちわは「みやこうちわ」とも呼ばれています。京都の文化や町の発展とともに産まれ育ち、伝統工芸品として今日まで利用されてきました。昭和50年代に伝統工芸に指定されて、「京うちわ」は京都扇子団扇商工協同組合の登録商標となっています。伝統的な工芸品である京うちわをこのようにして守っていっているのですね。

京うちわ

一般的なうちわとの大きな違いですが、一般的なうちわは団扇の柄と骨が一体になっていて、そこに絵柄の入った地紙を貼って作成します。それに対して京うちわは、本体の部分と柄の部分を別に作っていき、うちわの柄の部分を最後にうちわ本体に挿し込んでいって作成します。写真で説明しますと、うちわの骨に地紙を貼ったものに挿柄を地紙部分に挿して作ります。

この京うちわに等級があって、その等級は何で決めるかというと、「骨の数」なんです。骨は細い竹ひごを使っていて、50本から100本もの骨を使うものもあります。ちなみに50本の骨を使ったものは「下級品」で本数が増えるほど高級品になって100本の骨を使ったものは装飾的な飾りうちわとなります。全てが手作業でこれだけ手間をかけていますので、安い金額のものでも数千円、高いものは数万円にもなります。(金額がもっと高いものもあります。)

絵柄は透かし細工や木版画などの工芸的な技法が取り入れられていて、何とも涼しげな雰囲気を演出してくれます。また、手で千切った色のついた和紙を貼ったデザインも粋な感じがします。うちわを仰いで単に涼しいだけでなく目でみただけでも涼しさを感じさせてくれます。

京団扇2

 

京うちわの形は丸型の他には、角型や羽子板型などがあり、もっとも面白いのは千鳥型なんていうのもあります。ただでさえ骨の数が多いのに形状まで工夫して作っているというのは、なんて手先が器用なのかと感心します。

京うちわの用途としては、御所うちわとも呼ばれていたように宮中で使われたいたのがメインになります。他には軍扇、軍配といった勝敗にかかわる場所で使われていたこともありました。また賑やかな祭りの場所や緊迫した火消しの場所で使われていることもありました。あとは透かし団扇といって蚊やハエなどを追い払うという風を送る目的とは別の目的でも使われていました。このように京都というかつての日本の中心にあって様々な文化とともに京うちわも利用されてきました。

普段使っているプラスチック製のうちわはすぐに捨てられてしまうものが多いですが、京うちわのような伝統工芸品に触れてみるものもたまにはいいかもしれませんね。

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