オリジナルグッズを作る時の著作権や商標権等は何に気を付ければよい?知的財産権について

オリジナルグッズはお客様の独自の写真やイラストなどを入れて作成することが前提となっています。しかし、時々弊社にオリジナルグッズの作成をご依頼される時に入稿されるデザインデータを拝見しますと、有名なアニメのキャラクターやメーカーのロゴマーク等でした。この場合、弊社では残念ながら製作をお受けできませんのでお断りさせていただいています。オリジナルグッズやノベルティグッズを作成する時に必要な知的所有権に関する法律についてご説明させていただきます。

知的所有権とは?

まず、オリジナルグッズを制作する時に考慮しなければならないのは、知的所有権です。知的所有権とは、創作者の創作によって創作されたものを一定期間保護される権利のことです。保護される権利は沢山ありますが、このうちオリジナルグッズ作成に関連する権利は、「著作権」、「肖像権権」、「商標権」になるかと思います。ちなみに、商号(会社名)は商法によって保護されています。しかし、会社名よりもその会社が扱っている商品・サービスで商標権等の権利を取得されている場合が多いかと思いますので、主に著作権、肖像権権、商標権の3つの権利を考えておけばよろしいかと思います。

多岐にわたる著作権法の体系

著作権は文芸や美術、音楽などの著作物を著作した者に与えられる権利です。著作権法で保護されるものは著作権法によって定義されている、小説や論文、絵画や漫画、音楽など多数あります。著作権の体系は大変複雑で分かりにくいものですので、簡単にご説明させていただきます。著作権には大きく「著作者人格権(著作物を作成した人物に関する権利)」と、「著作権(著作物そのものに関する権利)」に分かれます。また、著作権には、大きく分けて、「複製権(コピーを防ぐための権利)」、「公衆に伝達する権利(ネットなどで伝達する際の権利)」、「二次的著作物に関する権利(創作物の二次使用に関する権利)」があります。このうちオリジナルグッズを作成するときに関係するのは「著作権」と「複製権」と「二次的著作物に関する権利」になります。かなり簡単に書いたつもりですが、それでも難しいと感じられたかと思います。

著作権について細かい条文を見たい方はこちらからどうぞ。
著作権法( e-Gov法令検索 )

キャラクターは著作物ではない?

アニメのキャラクターというと著作物になるのかと思いますがはたしてどうなんでしょうか?アメリカの有名な漫画で「ポパイ」といものがありますが、このキャラクターを印刷したネクタイを第三者が販売したことで法律で争いになりました。この判例では、「キャラクターは著作物ではない」という判決になりました。どういうことかといいますと、著作権では著作権法で保護される「著作物」とは「表現」されたものということが前提となりますので、雑誌や新聞等で表現されている漫画は著作物となりますが、その中から抜け出した個々のキャラクターに関しては著作物とはならないということでした。

ただし、キャラクターを著作者に無断で使用すれば「複製権」の侵害になります。ここは注意が必要なのですが、キャラクターの細部まで模倣したものでなくても、「これは〇〇のキャラクターだ。」とわかるものであれば複製権の侵害になる場合があるということです。例えば、パン屋さんで「アンパンマン」を模したパンを販売したり、ケーキに「クレヨンしんちゃん」の印刷をしたデコレーションケーキを販売したりということがあります。お子様が特に喜ぶのでと考えているのかと思いますが、これも著作者に許可を得てなければ複製権の侵害となってしまいます。

同人誌の二次創作物の著作権は?

同人誌において二次創作といって元の創作物に手を加えて二次的なオリジナル作品に仕上げるという手法が行われています。原作を別のイメージに沿って別の創作物に改変して表現しているものになります。原作者からしますと著作権云々よりも、自分が作った作品が二次創作物として世の中に広めてもらえることで喜びを感じてる人も多いかと思います。

この場合の著作権としては厳密にいいますと著作権法違反となる可能性があります。なぜかといいますと、著作権法の同一性保持権(原作と同じ内容で表現しなければならない。)、複製権(内容をコピーすること)を侵害することになります。このようなことからグレーゾーンとして残っていると考えられます。もしくは、ファン活動の一環として黙認されていると言った方がいいでしょう。

 

肖像をオリジナルグッズを作るのはほぼ無理

肖像権とは「容姿などの肖像を無断で公表・使用されない権利」のことです。肖像権の場合は根拠となる法律条文がないために、判例によって権利が認められるようになってきました。タレント、アイドルの写真をキーホルダーや缶バッジなどにしたいというお客様は本当に多いのですが、無断で作成することは法律に触れてしまいます。

肖像権のほかにパブリシティ権というものがあります。肖像権とパブリシティ権の違いは、肖像権は肖像を無断で使用されない権利ですが、パブリシティ権は顧客誘引を目的として使用されない権利で、「人格的な利益保護」か「財産的な利益保護」の違いになります。上記のとおり、肖像(有名人等)をオリジナルグッズとして印刷したり製作したりすることはほぼ不可能と考えた方がいいです。

 

商標でグッズを作るのはメーカー等によって対応が違う場合も

商標とは、事業者が、自社の取り扱う商品・サービスを他社のものと区別するために使用するマークのことです。例えば、車のオーナーズクラブ様ですと、そのメーカーのロゴやロゴタイプなどを使ってステッカー、キーホルダー等を制作させていただいております。ロゴやロゴタイプなどは基本的に商標権で保護されています。こちらは難しい判断になるかと思います。お客様から自分のクラブ内で所有車のメーカーのロゴタイプを使ったステッカーを作りたいというご相談を受けまして、著作権上メーカーに許諾を得てもらうようにお答えしました。メーカーからは「オーナーズクラブ内でしたら使っても構わない。」というお返事をいただいたそうです。これは各メーカー様によって判断が分かれることでしょうが、使用目的によっては柔軟なメーカーもあるようです。

 

オリジナルグッズの製作会社へ代行してもうことはダメ?

これもよくあることなのですが、お客様より「私個人でだけしか使用しないので、車のメーカーのロゴマークでグッズを作ってもらえないか。」「このブランドのマークをシャツにプリントしたい。」というお話です。一見して個人使用だから大丈夫ののでは?と思いがちですが、これも著作権法違反となります。お客様はもとより弊社も著作権者から訴えられる立場となってしまいます。

かつて、個人が購入した書物を自炊してデータ化するのがブームになったことがありました。小説や漫画などの書籍をデータ化してパソコンなどで見られるのは大変便利なことなのですが、すべて自分でやるのは面倒ということで書物の自炊代行サービスが流行ったことがありました。しかし、この件は裁判で争われて著作権侵害ということで2016年に確定しています。したがって、これと同様あたる行為として弊社では法律に触れるような制作代行はお断りさせていただいております。(現在も自炊代行サービスは残っていますが、このような判例がありますのでお断りさせていただいている次第です。)

ちなみに、こういうことを知っていたのか知らなかったのかはわかりませんが、ステッカーの製作代行業者さんも結構いました。(オークションでは結構あります。)ステッカーというと、車のメーカー名やパーツなどの商品名など車に乗っている方なら皆さん大好きだと思いますが、ロゴをカッティングステッカー当にして製作を代行という形でやっていた業者様も結構いますが見つかれば訴えられるかと思いますので注意が必要ですね。

オリジナルグッズを作る時のまとめ

  • 著作権者に事前に許可を得ましょう。
  • 許可が得られない場合にはすべて自分で作りましょう。
  • 漫画やアニメのキャラクターは基本的に使用できません。
  • タレントの顔写真等は使用できません。
  • メーカーのロゴマークはメーカーに使用許可を得ましょう。

これらのことを考慮してオリジナルグッズの製作をを楽しんでいただければと思います。